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華燭の祭典

 

Fantasia "Festa di Nozze"(幻想曲「華燭の祭典」)

 1.Monimento di gioia nel popole(人々の祝福)
 2.In Chiesa(教会にて) 
 3.Festa in famiglia(家族の祝宴)
作曲者:G.Manente(マネンテ)

大学のマンドリンクラブに入部して最初の定期演奏会の決め曲。すなわち現在まで続いている数々の演奏活動のスタートとなった、僕にとって記念すべき曲である。
12月の演奏会に向けて11月頃から総合練習にスパートがかかっていたが、僕はと言えば気楽な1年生の身分なので、練習はそこそこに、一升瓶を持って先輩達の下宿まわり(「下宿」の表現はもはや学生の間では死語?)に明け暮れていた。
当時は、マンドリン曲のよさがさほど理解できずぼんやりとしていたのだが、こと華燭の祭典は僕にとって強烈なインパクトがあった。
この曲の速弾きの楽しさ、トレモロ部分の美しさに取り付かれ、結局卒業後○○年経った今でもマンドリンを手放すことができなくなっているのである。
「華燭」は各パートとも技巧的に決して簡単ではなく、おいそれと演奏できるものでもないが、部員の結婚式では1楽章だけなら数度演奏しており、3楽章まで全部演奏したこともある。拍手喝さいであった。
本曲は、まさにマンドリン界における不朽の名作と言っても過言ではない。
もともと、吹奏楽で書かれたこの曲は、晩年(1938年頃)故中野二郎氏と親交があった関係で、氏によってマンドリン合奏用に編曲された後、マンドリンオリジナルとして定番化したのである。

さて、作曲者のジュゼッペ・マネンテはイタリアの人で、1867年にサンニオで音楽家を父として生まれ、国内の音楽界で名声を上げた後、1941年にローマで没した。
彼は音楽学校で作曲法を学んだ後は、イタリア各地の軍楽隊長を歴任し、軍隊音楽や吹奏楽曲、マンドリン曲等を多数残している。

第1楽章「人々の祝福」
4分の3拍子に乗せた特徴あるシンコペーションが魅力的である。主楽節が1stマンドリンによって華やかに奏された後、マンドラに引き継がれ、ギターパートのハーモニクスや、各種パートの速弾きが相互に絡み合い曲は進行する。
いそいそとあわただしく式の準備がなされている様子がよく表現されている。 
第2楽章「教会にて」
トレモロの美しさを存分に楽しめる楽章である。新郎新婦のおごそかな入場を思わせる、マンドラのニ重奏が美しい。 
第3楽章「家族の祝福」
一転して軽快なメロディーにより、披露宴の大騒ぎが表現され、第1楽章の主題が再び現れて華やかに曲が終わる。その歓喜あふれる曲想は、演奏会の終演にぴったりである。

※2005.3月記。

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